個人用途であっても独自ドメインのメールアドレス使う理由

この Web サイトのドメインは www.tojo.tokyo ですが、tojo.tokyo ドメインを取得した目的はWebサイトを公開するためではなく、独自のメールアドレスを作成するために取得しました。

どうして私が独自のドメインのメールアドレスを作成しなければならないと考えに至ったのかをまとめます。

メールアドレスは Web における住所である

まず前提の共有のためにメールアドレスの重要性について説明します。

メールアドレスは Web 上でのやりとりにおいて最も重要な要素です(LINEを除く)。たとえ Web 上でのやりとりを Twitter や Facebook などでしか行なわないと決めたとしても、そのサービスのアカウントを作成するためにメールアドレスが必要です。シングルサインオンなどによって別のサービスと紐付けることによっても、アカウントの作成やログインが可能な場合もありますが、その場合においても紐付け元のサービスのアカウントの作成のためにメールアドレスが必要です。

Web で人とのやりとりをしない場合でも、Web で何らかのサービスを使用するためには、メールアドレスを登録することになります。

また、あなたがプログラマで自由ソフトウェアの開発をしている場合には、ライセンスの表記のためにメールアドレスを書く必要がでてきます。Web ではあなたの存在はメールアドレスによって保証されるのです。

メールアドレスの変更は難しい

私が中学生から学部生の途中まで、Gmail メールアドレスを使用していました。ドメインは @gmail.com であり、独自のドメインではありません。

具体的に思い出せないのですが、学部三年生のころ、Google の個人情報の扱いに対する不信などを理由に、Google のサービスの利用をボイコットするとを決めました。

Google アカウントを退会しようと考えたのですが、そこで障壁となったのがメールアドレスです。

まず私のメールアドスを知っている全ての知人に対して、メールアドレスの変更する旨の通知をする必要がありました。そして本当に大変だったのは、当時利用していた全ての Web サービスのメールアドレスを変更しなければならないことでした。

この作業はとても退屈なのですが、残念なことに重要です。メールアドレスが使用不可能になり、さらにパスワードを紛失した場合、Webサービスへのアクセスは完全に断たれます。登録しているWebサービスが多ければ多いほどこの問題は大きくなります。

このときにメールアドレスの変更は、簡単ではないと気づきました。

フリーメールは自由ではない

メールアドレスの変更の困難さによるプロバイダへの依存

メールアドレスの変更が困難であることを前提にすると、フリーメールの問題が浮びあがってきます。フリーメールは無料で使用できるメールサービスという意味であって、自由の観点からみれば全くフリーではりません。メールアドレスのドメインがプロバイダのドメイン(たとえば gmail.com)の場合、メールサービスの品質の問題や、その他のサービスの使用をやめたいといった理由で、別のサービスに変更しようとしても簡単にはできません。メールアドレスの維持のために、サービスを継続して使用しなければならなくなります。また、他にもっと良いメールサービス(たとえば、end to end での暗号化を保証する ProtonMail や Tutanota など)を提供しているサービスを見つけても、簡単に移行することができません。メールアドレスが住所であれば、メールアドレスにおけるドメインとは、ドメイン所有者にとっての領地のようなものです。ドメインの所有者は、そのドメインを持ったメールアドレスの使用者を支配できるのです。

メールが突然使用できなくなる可能性

フリーメールを提供するプロバイダは、メール以外のサービスも提供している場合が多いです。たとえば、Google では Gmail と同じアカウントで Youtube の利用することができます。メールサービス以外のサービスであっても、サービスの利用の仕方によってはアカウントを停止されたり、最悪の場合には削除されることだってありえます。通常、アカウントの凍結や削除はユーザー側に非がある場合が多いでしょう。

意図せずに規約に違反してアカウントが削除されてしまう例として、Google フォトへの自動アップロードを有効にしたスマホで、裸の子供の写真を撮影してしまい、児童ポルノと判定されてアカウントが凍結されるといった事故も起きています。このように意図せずに規約に違反してしまうことも起こりえます。重要なメールアドレスが突然利用できなくなるという可能性は、到底受容できるものではありません。

もちろん、メールアドレスを突然利用できなくなる可能性は、独自ドメインを使用していてもドメインの契約の更新を忘れることによっても起きえます。問題なのはそれが制御可能かどうかということなのです。ドメインの更新の失敗は完全な管理者の過失ですが、フリーメールにおけるアカウントの凍結の場合は必ずともそうとは限りません。Twitterにおける虚偽のDMAC通告によるアカウントの凍結のように、全く非がないにも関わらず凍結される被害にあうことも有り得ます。メールアドレスが使用できるかどうかはサービスの提供者に委ねられる、これこそ私が問題としていることなのです。

ドメインを取得して自分のメールアドレスを作ろう

ドメインを取得することの利点を並べてみます。

  • 使用するメールサービスを自由に変更できる
    • メールサーバを自分で運用してもよい
  • メールアドレスのローカルパートを自由に設定できる
    • フリーメールだと空いている名前しか使用できない
  • ドメインを所有している限りメールアドレスは常に使用可能である
    • フリーメールの場合、サービスの終了やアカウントの削除によて使用不能になる場合がる

もちろん、下記のようなデメリットもあるにはあります。

  • お金がかかる
    • ドメインの取得・維持にかかる費用
    • 独自のドメインのメールアドレスを使用するのにかかる費用
      • 多くのメールサービスで、独自ドメインを使用する場合には費用が生じる
        • mailbox.org であれば月1ユーロ程度
      • 自分でメールサーバを運用する場合でもそれなりのコストがかかる
    • ドメインの失効によってメールアドレスが使用できなくなるリスク
      • さらにドメインを他の人に取られた場合、本人になりすまされる可能性もあります。

このようなデメリットも当然あるのですが、これは自由を得るために生じる対価であり、どうしようもありません。実際に独自ドメインを使用するかどうかは上記のメリットとデメリットを天秤にかけて決めるのが良いでしょう。

個人的にはmailbox.orgおすすめします。いくつかのメールサービスを検討したり実際に使用した結果 mailbox.org におちついているので、この経緯についても別に記事を書く予定です。